家を建てる前にチェック!【住宅取得資金の贈与税】おトクな知識

家を買うのは一生のうちの一大イベント。しかし大きな資金が必要ですので、親から援助してもらうこともありますね。住宅を取得するときの資金には贈与税がかかりますが、知っておくと得をする方法があるんです。

贈与税とは?

贈与税とは、財産を個人から現金などをもらうときにかかる税金のことをいいます。これは法人などからもらった場合は贈与税ではなく所得税がかかります。個人が個人へ贈与をすることで、贈与税が発生します。

贈与税の課税については、暦年贈与と相続時清算課税とがあります。

暦年贈与では、その年の1/1~1/31までの間に贈与された財産について、基礎控除の110万円を引いた額に贈与税がかかります。

また、相続時清算課税については、その年の1/1~1/31の間に贈与を受けた財産の合計の2,500万円までの金額が特別控除となり相続時に相続財産に加算することとして、その分を引いた額について贈与税がかかります。

住宅の贈与税が一部非課税になる?

住宅取得等資金の贈与について、父母や祖父母からなどの贈与を受け、その翌年の3月15日までに住むための新築の住宅や増改築をした場合に、その資金の一定額まで贈与税が非課税となるものを「非課税の特例」といいます。

つまり、新築や中古の家の取得・増改築などの費用について、一定額であれば贈与税がかからないということになります。この非課税の特例は、平成27年1月1日~平成31年6月30日までの間の実施となります。

「非課税の特例」で贈与を受ける要件

非課税の特例を受けるためには、やはり条件がいろいろあります。

例えば、日本に住んでいることや住所が日本にあること。その他細かな条件がありますが、日本の税金ですから当然ともいえますね。

さらに、自分の子供や孫への贈与にしかこの特例は効きません。つまり子の配偶者は含みませんし、兄弟姉妹なども対象外です。また、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であることや、合計所得が2,000万円以下であることなどが条件となっています。

取得する住宅の要件

■居住用家屋についての要件
取得する住宅の要件は、日本国内にある居住用の家であることが条件です。また、居住用の家が2軒以上あるときは、贈与を受けた人が、主として居住用に使用している1軒のみが適用となります。

細かな条件については、以下のようになっています。

こイ 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
ロ 購入する家屋が中古の場合は、次のいずれかの要件を満たす必要があります。 (イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
(ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
(ハ) 地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであること。
(ニ) (イ)から(ハ)のいずれにも該当しない家屋の場合で、その家屋の取得の日までに同日以降に耐震改修工事を行うことについて所定の手続きをし、かつ、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき、一定の書類で証明されたものであること

ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

■増改築などの場合の要件
また、増改築などについても、この特例の対象となるものは、国内の居住用の家屋の増改築であることが必要です。

非課税になる限度額

住宅取得等資金の贈与について、贈与を受けた人1人についての非課税限度額は、その住宅などの取得の契約の時期や種類によっても違ってきます。

例えば「特別住宅資金非課税限度額」では、住宅の取得等に関わる額または費用の額で消費税などが10%の場合であれば、以下のように非課税限度が決まっています。

・平成28年10月~平成29年9月での締結期間:2,500万円(良質な住宅は3,000万円)
・平成29年10月~平成30年9月での締結期間:1,000万円(良質な住宅は1,500万円)
・平成30年10月~平成31年9月での締結期間・700万円(良質な住宅は1,200万円)

また、上記以外(消費税が10%以下)のものに対しては「住宅資金非課税限度額」となります。

・平成27年12月までの締結期間:1,000万円(良質な住宅は1,500万円)
・平成28年1月~平成29年9月での締結期間:700万円(良質な住宅は1,200万円)
・平成29年10月~平成30年9月での締結期間:500万円(良質な住宅は1,000万円)
・平成30年10月~平成31年9月での締結期間:300万円(良質な住宅は850万円)

年々非課税の限度額が下がっているのがわかるでしょうか?

また、この期間中に先に「非課税の特例」を受けていた場合には、その金額を差し引いた額が非課税限度額となります。例えば、住宅資金非課税限度額」を受けた場合でも、増改築などで要件に該当すれば「特別住宅資金非課税限度額」をプラスして受けることができるわけですね。

期間中であれば上限内での「非課税の特例」が受けられるということです。

この要件の良質な住宅についてですが、省エネなど基準をクリアしている・耐震等級などの基準に該当している住宅のことです。例えば、省エネ等級基準:断熱などの性能等級4相当以上であること、耐震等級:構造躯体の倒壊防止の耐震等級2以上であることなどがあります。

こうした機能性の高い家はその購入額も高い分、非課税の限度額も高くなるというわけですね。

なお、平成21年~平成26年分にて非課税の特例を受けている場合は、平成27年以降の贈与でこの特例の適用は受けられませんので注意しましょう。

適用を受ける為の手続き

この特例の適用を受けるためには、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日までの間に、必要な書類一式などを、所轄税務署に提出しなければ「非課税の特例」を受けることができません。贈与の金額が、その控除の範囲内だから申告しなくてもいいというわけではないのです。

必要な書類としては、申告書や計算明細書のほかに、その特例を受ける対象であるか確認するための「戸籍謄本」や「住民票」などが必要です。またもちろんですが、その物件の「登記事項証明書」や家の取得時の「契約書の写し」なども必要となります。

相続時に適用されるおトクな制度も

「相続時清算課税選択の場合の特例」についてもご紹介しましょう。
これは生前に贈与をしたときに「2,500万円まで非課税」となる制度です。相続時にこの贈与額と相続された額の合計を、相続税の課税対象とするものです。この場合、住宅取得資金の非課税制度との併用が可能になります。

ただし、贈与を受けた翌年の3月15日までに新築または取得すること、住むための家であることなどが必要です。これは増改築についても含みます。

「相続清算課税」で贈与を受ける要件

相続時清算課税での特例を受ける為には、「非課税の特例」と同じように、日本に住んでいることや住所が日本にあること。その他細かな条件があります。

そして自分の子供や孫への贈与にしかこの特例は効きません。つまり子の配偶者は含みませんし、兄弟姉妹なども対象外です。また、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であることが要件となっています。

住宅取得等資金の範囲とは

住宅取得等資金とは、贈与を受ける人が自己の居住用の家を新築もしくは取得、増改築をするための資金となります。

資金の中には、家屋の新築や取得・増改築などと一緒に、その敷地用の土地・借地権の取得も含みます。また、住宅用の家の新築に先立って土地や借地権の取得についても同様です。

ただし、贈与を受ける人と一緒に住む人や、生計を一にしている人は、この住宅取得資金の相続生産課税の特例を受けることはできません。

適用を受ける為の手続き

この相続時清算課税の選択の特例を受けるためには、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に、必要な書類一式などを、納税地の所轄税務署に提出しなければ、適用を受けることができません。

必要な書類としては、「贈与申告書」や「相続時清算課税選択届出書」のほかに、その特例を受ける対象であるか確認するための「住民票の写し」などが必要です。またその物件の「登記事項証明書」も必要となります。

相続時清算課税選択時の贈与税の計算

では、事例で確認していきましょう。

平成27年に良質な住宅以外の家を購入。住宅取得資金として、父から4,000万円・母から1,000万円の贈与を受け、どちらも相続時清算課税を選んだ場合について計算してみます。

■父からの贈与については、住宅取得資金の特例と相続時清算課税の特例を受けることができますので、
・課税される金額の計算
4,000万円-1,000万円(非課税金額)-2,500万円(相続時清算課税の特別控除)=500万円
・贈与税の計算
500万円×20%(相続時清算課税の贈与税率)=100万円
父からの贈与税の額は「100万円」となります。

■母からの贈与については、相続時清算課税の特別控除を受けることができますので、
・課税される金額の計算
・1,000万円-1,000万円(相続時清算課税の特別控除)=0円
母からの贈与については、贈与税は課税されません。

住宅取得等資金の特例については、贈与を受ける人の1人について1,000万円が限度となる為、父の贈与から1,000万円を控除して、母の贈与からは控除できないということです。また、1,000万円が限度額となるので、父から500万円控除・母から500万円控除という方法も可能になります。

住宅資金贈与におけるQ&A

住宅ローン返済のための贈与

Q:すでに住んでいる住宅のローンの返済をするために、父親から贈与を受けました。この住宅には2年以上住んでいます。この場合には、「非課税の特例」で1,000万円の控除は受けられますか?

A:非課税の特例は、新築もしくは取得・増改築に関しての金銭の贈与の場合に限られています。この場合、居住用のものであったとしても、住宅ローン返済のための資金贈与については、非課税の特例の適用外となるため、贈与税の控除は受けられません。

非課税の特例を受けた場合の相続財産への加算

Q:住宅取得等資金を贈与した父が亡くなりました。父からは家を買うときに1,000万円の非課税の特例を受けました。この住宅取得等資金は、相続税を計算するときに課税価格に加える必要がありますか?ちなみに、相続時清算課税は利用していません。

A:非課税の特例を受けた場合で非課税となっており、相続時清算課税の選択もしていませんので、相続税の課税価格に加算はしなくても良いでしょう。

非課税となる金額以下の申告

Q:平成27年に新築の家を購入する時に、父から500万円の贈与を受けました。住宅取得等資金の受けた金額が、非課税となる1,000万円よりも少ない場合は、全額非課税になりますよね。この場合は申告の必要はありませんか?

A:非課税の適用を受けるための申告が必要なのです。そのためには、翌年の2月1日~3月15日までに、非課税の特例を受けることを記載した贈与税の申告書と、添付書類一式(計算明細書・戸籍謄本・住民票の写し・登記事項証明書・新築や取得などの契約書の写し)を所轄の税務署へ提出しなければいけません。
申告は必要です。

配偶者の両親からの贈与

Q:妻の両親から私名義の住宅取得資金として贈与を受けたいのですが住宅取得の非課税の特例は利用できますか?

A:自身の両親からの住宅取得資金しか非課税の特例を受けられません。ですので、配偶者の両親からの贈与については非課税の特例は受けられず、通常の贈与税の基礎控除額の110万円が控除となります。

祖父と父からの贈与

Q:平成27年度中に契約をした住宅(良質な住宅に適用されます)について、祖父と祖母から1,500万円ずつ贈与合計3,000万円の贈与を受けた場合、それぞれ1,500万円ずつ住宅取得資金として、非課税の特例は受けられますか?

A:非課税の特例は、贈与を受けた人1人に対して受けられる限度額となります。平成27年での良質な住宅に該当する場合は、1,500万円が限度額となりますので、残りの1,500万円に対しては非課税の特例は利用できません。この場合、残りの1,500万円は贈与税の110万円の控除となります。

父からの不動産の贈与

Q:祖父から現金ではなく居住用の不動産の贈与を受けました。住宅取得の非課税特例は適用されるでしょうか?

A:非課税の特例は、居住用であってもその取得に関しての金銭の贈与に限られます。不動産の贈与に関しては適用外となります。

まとめ

家を購入することは、大変大きな買い物です。しかし、父母や祖父母からの資金援助については、「住宅取得等資金の非課税の特例」や「相続時清算課税制度」などを上手に利用することで、税金を節約することができます。

非課税枠については、「非課税の特例」では年々その控除額が変わっていきますので、その時の最新情報を確認して利用してください。そして、住宅の取得を考えているのであれば、早い方が控除額が大きくなりますので、早めに検討することをおすすめします。

本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。

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